電流はよく水の流れに例えられます。
水位の高いタンクと水位の低いタンクをホースやパイプでつなぐと、水位の高い側から低い側に水が流れ、2つのタンクの水位が同じになると水流が止まります。
電気の場合は、マイナスに帯電した物体とプラスに帯電した物体を導体でつなぐと電流が流れ、帯電状態でなくなると電流が止まります。
水流の場合の水位とはタンク内の水の深さの事ではありません。
同じ基準となる位置、例えば地面から水面までの高さの事です。
この両方のタンクの水位の差が水を押し流す圧力となるため、水が流れたわけです。
電気の場合は、この水位に相当するものを「電位」と言います。
電位の場合の基準となる位置は、電気的に中性な状態です。
電気的に中性な状態から考えると、プラスに帯電した物体は電位が高く、マイナスに帯電した物体は電位が低い(電位がマイナス)といえる。この電位の差が電気を押し流す圧力となり、電流が流れます。
こうした「電位差」を「電圧」と言います。
帯電した物体を導体でつないだ場合電流が流れると電位差が小さくなっていき最終的には電位差ゼロになって電流が止まりますが、一般的に電気を使う場合は電流を流し続ける必要があります。
電池でモーターを回転させる電気回路を水流に例えてみると、高い位置にあるタンクから流れ出た水流が水車を回し低い位置にあるタンクに流れ込みます。
このままでは高い位置のタンクの水がなくなると水車が止まります。
しかし、低い位置のタンクからポンプで水を吸い上げて高い位置のタンクに水を送れば、連続して水車を回すことができます。
水流の場合のポンプの役割を電気回路では電池が果たしています。
電池とは連続的に電位差を作り出す装置と言えます。
このように電池や発電機が作り続ける電位差(電圧)を「起電力」といいます。
また、水位の差が大きいほど、水車は力強く回ったり早く回ったりするようになります。
電気の場合も電圧が高くなるほどモーターの回転する力が強くなったり速く回転したりするようになります。
力強くなるか早くなるかは、モーターの構造や行っている作業によって変化します。