電気とはエネルギーの1つの形態です。
その正体を理解するためには原子の構造を知る必要があります。
原子とは、その物質としての性質を保つことができる最小単位の事です。
原子は中心に原子核がありその周囲の軌道を電子が回っています。
中心にある原子核は陽子と中性子とで構成されています。
これら陽子、中性子、電子は物質を構成する最小単位で素粒子と呼ばれています。
陽子、中性子、電子の数は原子の種類(元素)ごとに決まっていて、陽子の数が原子番号になります。
電子の個数は陽子の個数と等しいが中性子の数には様々なものがあります。
例えば原子番号6番の炭素原子の原子核は陽子6個と中性子6個でできていてその周りを6個の電子が回っています。
原子番号14番のシリコン(ケイ素)は陽子と電子の個数がそれぞれ14個だが中性子は14個のもののほか15個や16個のものもあります。
これらの素粒子が持つ電気的な性質を電荷といいます。
電荷という用語は電荷の量を表現することもあれば、電荷をもっているものを表現することもあります。
この電荷こそがすべての電気現象のもとになるものであり、電気の正体と言えます。
電荷にはプラス(正)またはマイナス(負)の極性があり、それぞれプラスの電荷(正電荷)とマイナスの電荷(負電荷)といいます。
プラスとマイナスは打ち消しあいプラスの電荷の量とマイナスの電荷の量が同じであれば実質的に電荷はゼロになり電気的に中性な状態になります。
電荷には異極同士は引き合い同極同士は反発し合うという性質があります。
つまり、プラスとマイナスは引き合い、プラスとプラスもしくはマイナスとマイナスは反発し合います。
この吸引力や反発力をクーロン力といい、静電気力もしくは単に電気力とも言います。
原子を構成する素粒子のうち中性子には電荷がなく電気的に中性だが、陽子はプラスの電荷で、電子はマイナスの電荷です。
陽子1個の電荷と電子1個の電荷はプラスとマイナスの同じ量で対応しているためちょうど打ち消し合っています。
原子の陽子と電子数は同じなので原子全体では電気的に中性な状態にバランスが保たれています。
このバランスが崩れると電気現象が起こります。